市公民館ゆうゆう学級「小牧に残る馬頭観音と地蔵菩薩について」
2022/02/11
本日の講座「小牧に残る馬頭観音と地蔵菩薩について」の講師は、郷土史家の西川菊次郎先生でした。先生は市文化財資料研究員として「織田信長と小牧」(叢書)等の編集を中心になって行われ、多くの地区で地元の歴史・文化について講演を行っていらっしゃいます。
まずは、観音信仰・六道輪廻。迷っている人々を救ってくれるのが、観音菩薩。それぞれの六道に応じて、変化(へんげ)した観音様があり、その中に馬頭観音様もいるということです。古くは貴族社会から広まった観音信仰は、時代が下がり霊場巡りへ、江戸時代の大衆の三十三観音霊場巡りへと広がっていきました。こうして身近になった馬頭観音信仰のおかげで、旅の安全、亡くなった人や馬の供養などを目的として、各地に馬頭観音が建てられていきました。村の入口、街道の辻・追分・路傍など。
分かれ道では、行く先の道しるべとして、例えば「みぎ きそみち ひだり やまみち」などと記されているものもありました。
馬頭観音の特徴として、馬頭の他に、忿怒の表情、舟形光背、手や顔が複数ある三面六臂などがありました。市内にも多数残っており、講師が一つ一つ丹念に調べたものを紹介していただきました。昔のまま残っているものは貴重ですが、時代の流れで移設され、本来とは異なる位置にいらっしゃることも多いようです。
一方、子どもや弱いものの守り神である地蔵菩薩は、丸坊主頭、宝珠と錫杖を持つという特徴があり、供養・願掛けのため、また六地蔵として墓地に建立など様々ないわれと共に地域に根差しているようです。
もう少し温かくなったら、ゆっくり地域の石仏を探しながら、散歩してみ
るのも楽しそうです。