第9回のゆうゆう学級
2018/09/20
第9回のゆうゆう学級は、愛知文教大学非常勤講師の中嶋隆先生による「考古学」講座でした。中嶋先生は、小牧市の文化財担当として、数々の発掘現場に関わり、考古学の立場から小牧の歴史を解明されてきた方です。
先生によれば、有力寺社や貴族が関わらない限り、地方では中世以前の文献資料はほぼなく、小牧市でも、織豊期以前の資料はあまりないとのことでした。講座は3部に分かれ、まず「大山廃寺跡」についてです。永く忘れられていた「大山寺」ですが、「金の茶釜」が埋まっているとの伝承があり、昭和に入り私的に発掘を行ったところ、地下1mほどのところから「塔跡の礎石」が見つかり、保存活動が始まったそうです。
2番目は、「篠岡古窯跡群」です。「末」という地名から、予想はされていたそうですが、記録は全く残っておらず、桃花台建設で大規模な調査が行われ、その全容がはっきりしたそうです。7世紀から12世紀まで、須恵器・灰釉陶器等主に東国向けの生活食器を製作していたそうです。
最後に「小牧山城」です。先生も最初は、「岐阜攻略の一時的な砦」程度の考えていたのが、小牧中学校の移転や史跡整備の調査で、次々に新発見があり、現在では織豊期の石垣城塞建設のルーツは、安土城ではなく小牧山城となりつつあります。戦中戦後の開発で、埋蔵物がかなり傷んでしまい、はっきりわからなくなったのが残念だそうです。地元の話だけに、受講生はうなずいたりメモを取ったりしながら真剣に聞いていました。山頂の信長の館の大胆な予想図には皆が驚かされました。