見て触れて知る『源氏物語』―「女君の扇」と装束体験―
2018/11/11
文学の秋です!源氏物語を中心とした平安文学を題材に、そこに出てくるモノ、扇や装束について「見て触れて知る」講座を愛知文教大学と連携し開催しました。講師は愛知文教大学人文学部准教授の畠山大二郎先生です。
1回目は「女君の持つ扇―扇の本当の意味―」というテーマでお話しいただきました。
扇は、あおぐだけの道具ではなく、今でも儀式や茶席に用いたり、詩歌を書いたりと用途は様々です。コウモリや枇榔(ビロウ)の葉を起源とする紙の扇「蝙蝠(かわほり)扇」は、主にあおぐために用いられていました。笏(しゃく)や木簡を起源とする木製の「檜扇(ひおうぎ)」は、薄い檜を重ねて作られており、枚数や色が身分を表し、今で言うメモを書いたり貼ったりもしていたようです。源氏物語や枕草子には、「扇」と書かれているだけですが、どちらの扇なのかは、会話や使われ方の記述からわかるそうです。
また、源氏物語には、「持っている扇から持ち主の雰囲気や魅力がわかる」とか、枕草子では、「初めて見る最新のデザインの扇だ」という意味のことも書かれており、現代に通じるところがあります。
貴重な扇の展示もあり、参加者は手に取ったり、写真を撮ったり、雅な世界に触れたりすることができました。
次回は、12月9日(日)。平安装束の着方を解説付きで実演していただきます。参加者の体験もあります。