尾張名所図会にみる小牧宿
2020/09/03
本日の講座「尾張名所図会にみる小牧宿」の講師は、愛知文教大学人文学部准教授内田吉哉先生でした。先生の研究分野は、都市文化史、文化遺産学等ですが、現在は非文字資料による尾張地方の都市文化史研究に取り組んでおられます。大学はオンライン授業のため、人前での講義は8カ月ぶりとのことで、反応が分かって楽しいと張り切って講義していただきました。
小牧宿は、上街道(木曽街道=中山道と名古屋を結ぶ脇街道)の宿場町として尾張藩初代藩主徳川義直公により整備された宿です。
かぎ型に曲がった街道沿いに本陣・脇本陣を備えた本格的な宿ですが、名古屋に近すぎるため、宿としては利用が少なかったそうです。受講生の皆さんも「そうだよね」とうなずいていました。
「名所図会」は説明文の他に、図や絵でその地方の名所・旧跡を紹介した江戸時代の旅行ガイドブックで、尾張版は京都・大阪・大和版よりずっと遅れて、天保12(1841)年に前編が完成し、小牧宿が載る後編は明治13年にようやく刊行されたそうです。
小牧宿の見所は「小牧山・城址」「神明社」「玉林寺」「西源寺」。内田先生に現在の様子と江戸時代の上街道の地図や昔の地形図を比較しながら解説していただきました。
昔の高札(法令を記した木の札)場に現在は市の広報板が立っているのには皆笑ってしまいました。
休憩時間には、尾張名所図会の「実物」を見せていただきました。和綴じの140年前の本に、受講生は興味津々でページをめくっていました。
もちろんその後きちっと手の消毒をしました。
小牧を再認識でき、充実した時間を過ごすことができました。やはり学ぶって楽しいです。